アンカリング効果の活用事例 スーパーマーケットのプライシング
スーパーマーケットに行くと、うまいこと見せるよなぁ〜という陳列がたまにあります。
スーパーによって、マチマチなんですが、たまに「こういう狙いか〜」なんて気づくと面白い!
例えばこの鮭。3切れ、4切れ、ブロックとあり、それぞれは100グラム当たり198円と全て同じ金額。
その代わり、入り数や形を変えることで、商品自体が接客しているんですよね。
まず目が行くのが派手なブロックの鮭!広告の品を銘打ち758円をアンカーポイントにします。
で、うちは3人家族だから〜と、3切れのパックを見ると500円〜479円です。
ここで758円が印象に残っているので、安く感じやすいのと、広告の品と銘打っているのでお得感を演出しようとしているわけですよね。
僕は、毎日スーパーに行くわけではないので、これが安いのか高いのかさっぱりわかりませんが、何をどう狙いたいのかはよ〜くわかります。
ここにポップなんかがあって、今夜の献立なんかを提案できてたら最高ですよね。
献立を考えるのが辛いのが主婦の悩みですから、簡単で美味しく食べられるような献立を提案してくれたら、「じゃ、いただくわ」となるんじゃないでしょうか。
次に目についたのがお寿司コーナーでした。
1280円、850円、650円の3段階の松竹梅作戦!
もちろん、1280円のお寿司は豪華ですが、「スーパーのお寿司に1000円以上出すのはちょっと・・・。」とか思うわけです。
そこで、安い方の650円と850円を比べると、850円の方にはイクラも中トロもある!
給料日が来て間もない月末。850円の行っとこか!となって欲しい陳列ですよね。
どう見ても真ん中が良いよなーと思わせたいのが松竹梅の基本だったりするので、通常は真ん中が利益率高めに設定されることが多いです。
1280円が14貫、850円が8貫、650円が6貫と巻物4個。このコーナー上手ですね!
そして、なくてはならないトイレットペーパーコーナー。
ここはとても考えられているなーと感心しました!!
トイレットペーパーって、切れたらめっちゃ大変じゃないですか?
もはや、家中がパニックになって、「おい!いらないタオルないのか!?」
くらいの勢いになりますよね(笑)
なので、常日頃から主婦の方は補充を怠らないのが、トイレットペーパーだと思います。
ちょっと見にくいのですが、
右から448円、338円、278円になっています。
448円のクリネックスは長さが1.5倍なので12ロール分と同じ量で省スペース。
おそらく紙質も良いのかな?と思います。
スコッティとエリエールは人気消費ですね!良い香りがするやつです。
そして、一番安いのがカラフルな外国産のペーパー。
真ん中が一番売れるらしく、在庫が一番多いですね。
これ、338円が安いかどうかは僕はわからないですけど、
448円があることで安さを感じ、278円があることで、ちょっと良いものというポジションを確立できているんです。どちらが欠けても、よさが光らなくなってしまうので、どっちも必要。
バックヤードには、スコッティとエリエールは大量にあって、両端の448円と278円は出ている在庫だけ。こんな風に考えると、売りたい商品をよりよく見せて行く方法が見えて来ますよね。
松竹梅はこの辺にして、別のお店の安売りコーナーに目を向けてみました。
トマトジュース49円!!安い!でも、聞いたことないブランド。でも安い。
ここ重要で、安い理由がはっきり理ないと怖くて買えないんですよねー。
カゴメとかじゃないから安いのか〜って安心して買えます。
うお!29円!激安!
まあ、サントリーなのでちゃんとしたブランド。でも、これ冬場の残り物じゃん!
ということで、安い理由がわかるので、安心して買えます。
賞味期限も大丈夫!
そろそろ寒くなって来たので、飲みたい人にとってはお得ですよね!
結構売れてました。
やっす!コンビニのあったかいお茶コーナーだったら120円とかでしょ?
これも、ホット専用が9月には需要が薄いので、安いんだよきっと。と
理由がわかるので安心して買えますね。
むしろ理由がわからず、安いと怖くて買えません。
最後にこれ!まさかの19円!!1ケース30本買っても570円!
ここまで安いのは賞味期限(消費期限?)が10月28日という訳あり品。
さらに冬場の飲み物だし〜
ってことで、納得できるので買えますね。
<まとめ>
こんな感じでざっくりとご紹介しましたが、
まず、松竹梅やアンカリングといった手法を使って、「お値打ち」に見えるようにする事で、
一つでも多くの商品をカゴに入れてもらう工夫。
さらに、お寿司に見られたように、粗利の高い商品を中心に購入してもらうための工夫。
トイレットペーパーに関しても同様に粗利が高いのか、在庫がたくさんあるのか、メーカーから販促をお願いされたのかわかりませんが、数を多く販売したいときなどに、「おとり商品」というのは重要ですね。
何かと比べる事でしか、そのものの価値を判断できないのが一般的なので、比較対象をきちんと置いてあげることが大事です。
もちろん、相場感覚をいつも持っているキャベツとかは、使い切りの半分カットにして、少し割高にするとか、いろんな方法がとられています。
特に生鮮は、売れ残り=廃棄 になってしまうので、値引きもその日のうちになされますよね。
それにも理由があって、「おつとめ品」の札が貼られて、なぜ安いのかを明確にしています。
安売りスーパーのドリンク類も同じで、おそらく売れ残ったものを問屋さんから格安で仕入れて来たものを、上手に販売することで、生計を立てているスーパーさんのものです。
ちょっと季節外れ、ちょっと消費期限が短い、ちょっと人気がないとか、いろんな理由があって安売りされています。単に値引きをすれば売れるというわけではないんですよね。
安すぎると怖いとかそんな心理も働くので、二重価格にしただけでは売れないこともあります。
安い理由があれば、好む人は買いますし、好まない人は買わないわけです。
ポイント施策をする際も、クーポンを配るときにも、何らかの理由があると「だから安くしているのね」ということで、値引きの強みを引き出すことができます。
そのときに、アンカリング効果(基準となるもの)をどう設定するかで、売れ行きも変わるかと思います。
値引きはあくまでも手段であって、最終的に利益を残すことが目的。その利益を使って、次なる投資に回していくことが企業活動ですから、バッチリ利益を残してくださいね!
ここで実践していきましょう! ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
まずは初歩から数字を理解! ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
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