古屋悟司

人気の花屋「ゲキハナ」を運営。1973年生まれ
2004年順調だった営業マンを辞め、
たった1ヶ月の研修ののち、花屋を開業。
いきなり閑古鳥が鳴くようになり、
背水の陣でネット販売に着手。
売上はうなぎ上りになったが、
数年後、決算書を見るとずっと赤字だった事に愕然とする。
その後、会計を学んだことをきっかけに、
倒産の危機を乗り越え、V字回復に成功。
以降、黒字を継続中。
現在はゲキハナの運営に加えて、
「furuyasatoshi.com」のサイト運営や
管理会計ソフトの販売を通じて、
小さな会社を中

ラーメン二郎ってなんで流行るんだろうね

この二郎の盛り方。やっぱ写真に撮りたくなるわけですよ。

そして、SNSに投稿したくなる。

でね、僕はジロリアンでもなければ、二郎の熱烈なファンでもないのに、やっぱなんとなく行きたくなるわけですよ。なんでしょうね。魔力ですね。


これを美味い!と評する人もいるけど、美味いというよりも味の濃さで中毒性がある感じ。

むしろ、欲求不満を発散するために食べてる感じなんですよね。

「食ってやったぞ!」みたいな感じです。

さらに、店内は戦々恐々としていて、接客も良いわけではないし、むしろぶっきらぼう。

家族連れが入ってきても不親切。メニューに小とか豚ダブルとかもはや隠語みたいなメニューだからよくわかんないわけです。でも店員さんすらそれを教えてあげない。

ローカルルールみたいなのがあって、ロットを乱すなとか、「ニンニク入れますか?」と言われてから答えなきゃいけないとか、色々あるわけです。

しかも、それに対して誰一人文句を言うわけでもなく、むしろそれを喜びつつ、「ヤサイマシアブラカラメ」と呪文を唱えるんですよね。僕の隣の人なんて、ちょっと噛んでたくらいです。プレッシャーがハンパないんでしょうね。


マジ、チャーシューとかデカイし。こんなの5枚も乗ってら完食できないです(笑)

で、思ったのが、昔の吉野家によく似てるなと。

二郎も慶応大学の学生に応援されて、店を畳まずに継続した歴史があるそうです。

僕ら学生の頃は、ソウルフードが吉野家。すき家なんてまだなかったし、牛丼といえば吉野家だった。そこで、「つゆだく ネギ抜き かるめ」とか言ってみたり、特盛りを頼んでたりしていたわけです。

二郎の呪文によく似てるし、「つゆだく」頼むのがツウみたいになってて、さらに「つゆ抜き」頼むのはもっとツウとか、いやいや「牛皿」頼むのが本当の吉野家好きだよとかね。


そもそも、人ってチャレンジするのが好きなんで、デカ盛りにはチェレンジしたくなるもの。

デカ盛りでバズった商品って最近だとペヤングですよね。挑戦した人も多い超超超大盛りGIGAMAX。

チャレンジしてみたい!完食してドヤりたい!こんなにデカかったよってSNSで言いたい!みたいな要素で、流行ったと思うんですよね。

二郎も同じ感じで、SNS映えするからやっぱ載せたくなるもんです。

もちろん、めちゃ二郎愛に溢れたジロリアンの方達は、自らの修行のために、全店舗制覇するんだ!みたいな、そんな修行の旅に行ってますよね。

そこのコアなコミュニティは別として、二郎の何店舗かのお店に行ったことがある人なら、「あそこはこうだった」とか「あっちの方が美味い」とか、同じネタで話せる人、共通言語で会話ができるっていうのは、欲求としても満たされるわけです。


これ、マズローの欲求の5段階説の図ですけども

これの、真ん中、所属の欲求が満たされるわけです。

さらにいうと、僕のような新参者や、にわかジロリアンに「わかってねぇな」と言うことで、この所属の欲求が満たされていく。本物のジロリアンとして所属している喜びっていうのがあるわけです。


その証拠に、お笑い芸人さんの書いた本「人生で大切なことはラーメン二郎に学んだ」って本のレビューは大荒れです。しかも、二郎全店舗から出禁食らったらしいです。

こういう、濃いコミュニティを作り上げている二郎、マジすげーなと思うわけですが、このコミュニティって意図として作ろうと思って出来上がったかというと、そういうわけじゃないと思うんですよね。(創業者の山田さんが策士だったのかどうかはわかりませんが)だから、真似しようと思ってもなかなか真似できない。

ある一定のファンがついて、関係性の構築が育まれると、お店の立場はお客さんと対等もしくは上になります。

所属の欲求を満たすために「お店を大切にしよう」というローカルルールが生まれるので、食べ終わるスピードとか、食べ終わったら丼を棚にあげるとか、テーブルを拭いてから立ち去るとか、そういうマナーが出来上がるんですよね。

これを守るのがファンとしてのマナーだよね。みたいな、所属の欲求に従った行動になるんだと思います。多分、慶大生もともと通っていたラーメン屋さんだけに、彼らが始めたマナーかもしれないです。(知らんけど)


だから、二郎インスパイア系のお店では、こういうマナーみたいなものがあまりないような気がします。何店舗か行ってみたけど皆無。二郎に行ってみたいけど近くにないので、デカ盛り食ってみたいという欲求で動いている感じでした。


毎度おなじみキャバクラの話を少し入れますね。

僕の友達で、昔キャバ嬢を少しの間やっていた同級生がいたんですが、入店後数ヶ月でナンバーワンになっちゃったんです。しかも、その子に着くお客さんはとてもマナーがいい。

逆にその子はというと、口がめちゃ悪い(笑)お客さんに遠慮しないで、ズケズケ言うし、媚びることは一切しないと言ってました。まあ、早い話がお友達感覚なので、お客さんの方もちゃんと気を使うようになったようです。そしたら、あっという間にナンバーワンです。


多分、その接客が嫌だと思っているお客さんもいたと思います。でも友達感覚だから楽しい!と思うお客さんがしっかりついて最終的にはトップになったわけですよね。

むしろ二郎だって、あのラーメンを食べたいと思うのは、むしろ少数派じゃないかなと思うんです。


そして、もしも二郎にお客様の声カードがあったら、「味が濃すぎる」とか「量が多い」とか「もっとニコニコ接客してほしい」とか、そう言うネガティブな意見が投稿されるはずなんですよね。

でも、お客さんの声を聞く姿勢はあったとしても、おそらく聞かない(笑)媚びない。全員に好かれる必要はなくて、理解してくれる人だけ来てくださいと言うスタンスだと思うんです。


逆説的に言うと、「誰かから嫌われないと誰からも好かれない」と言うことになるんでしょうね。

この現代、お客さんは言いたい放題言いますよね。もちろん参考にするのは良いことだし、その気持ちを汲んで、自分たちを見直す機会にするのは当たり前として改善するのは当然です。

でも、なぜ流行っているのかを見誤ると、お客さんが離れていく原因になっちゃいます。


説教するママが売りのスナックが、「ですよね〜」って同意し始めたり

ホリエモンが炎上を恐れて、当たり障りのない意見を言うようになったら、そりゃ当然終了の合図。


これって、鮮度が売りのお店の鮮度が落ちたり、安いのが売りのお店が高級PBを作り始めたりすることと同じだと思います。

自分自身のことは、自分が一番わからない。だからこそ、自分自身を知ると言う作業を常にやっていくことが大事だなと、もう腹一杯なのに、まだ丼に残っているラーメンをすすりながら思ったわけです。

参考にすべきクレームと、お客さんのわがままって紙一重ですね。



自社の強みを見極めて、業績をアップさせるV字回復研究所

古屋悟司のV字回復研究所

僕自身、倒産の危機を何度か経験し、その度に前向きに取り組み、いろいろな方のアドバイスにより、V字回復を果たしてきました。業績が落ち込む理由は様々ですが、外的要員で業績が落ち込んだ時は、当たりどころのない怒りや、この先どうなるかわからない不安がついて回ります。お金のことや、売上のことは、友達が多くても、相談しにくいのが実際のところです。相談しにくいからこそ、情報も乏しく、何をどうして良いのかがわかりません。僕自身がどうやってそれを切り抜けてきたのか。その経験がお役に立つのではないかと考えました。また、精神的にも不安で夜も眠れない、寝てもまた寝汗をかいて目が覚めてしまう。胸のあたりが常にモヤモヤしている。その気持ちに寄り添うことができればと思い、この事業を立ち上げました。 会社は、なかなか潰れません。諦めたところが終わるときです。資金繰りに行き詰まってしまっても、やり方は何通りもあります。僕が経験して、実際によかったと思う方法を、すぐに実践に移せます。また、これだけは絶対にやらないほうが良い。ということも同時にあります。常にポジティブにいきましょう!なんて無責任なことは言いません。もちろんポジティブであることは大切なことかもしれませんが、落ち込んだ気持ちを無理に引っ張り上げたところで、何の解決にもならないことは、誰の目から見ても明白です。 決算書を見て、何が問題なのか。ビジネスモデルを見て、何が問題なのか。今販売している市場を見て、本当に適切なのか。今の価格で利益は出るのか?諸経費は適切な状態なのか?チェックすべき項目はたくさんあります。短期的に結果が出る方法も、中期的に見て、取り組む課題も、会社ごとに異なります。決算書も見ずに、こうしたほうがいい、ああしたほうがいいなど、簡単には解決できないこともたくさんあります。絡まった糸をほぐすように、1つづつチェックして、回復するための施策を一緒に考えましょう。もちろん、一番大切なのは、社長自身の改善に向けての「決意」です。何がなんでも改善するんだという、強い意志があってこそ、V字回復は可能になります。単純に資金不足で悩んでいる場合には、早いケースでは1ヶ月で解決できる場合もあります。また、僕が経験した「ビジネスモデルの欠陥」による赤字体質の改善には、糸口がしっかり見えるまでは、半年から1年かかる場合もあります。もちろん、V字回

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古屋悟司の気づきと備忘録

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