古屋悟司

人気の花屋「ゲキハナ」を運営。1973年生まれ
2004年順調だった営業マンを辞め、
たった1ヶ月の研修ののち、花屋を開業。
いきなり閑古鳥が鳴くようになり、
背水の陣でネット販売に着手。
売上はうなぎ上りになったが、
数年後、決算書を見るとずっと赤字だった事に愕然とする。
その後、会計を学んだことをきっかけに、
倒産の危機を乗り越え、V字回復に成功。
以降、黒字を継続中。
現在はゲキハナの運営に加えて、
「furuyasatoshi.com」のサイト運営や
管理会計ソフトの販売を通じて、
小さな会社を中

初心者向け プライシングのお話

プライシングは奥が深いです。奥が深いだけに、浅い感じに理解してしまうと、「あれー?全然売れない・・・。」なんてことも多々あるのがプライシング。


プライシング(値付け)こそ経営!

なんて言われるように、商品の値付けは覚悟が必要とか言われます。

まあ、屁理屈はこの辺にして、まずはこちらを見てください。

例えば、全く同じ新品のテレビ(パソコンのモニターでもOK)。型番は全く同じ。

この全く同じテレビですけど、左側は3万円、右側が4万円。

あなたならどちらを買いたいですか?


多分、ほとんどの方が安い方を選んだのではないかと思います。

稀に、高い方を選ぶ人もいますが、世の中の多数の方は、全く同じ型番の新品であれば、安い方を選びます。


こんな感じで、型番商品は、同じものだとわかれば、安い方を購入する傾向にあります。

一部、超ブランド品などは高い方を購入したがる方もいます。(この話は長くなるので割愛)


では次に、これはどうですか?美味しそうなマンゴー。

どちらも同じに見えますが、左側は500円、右側は10,000円。

どちらを食べてみたいですか?


10000円のマンゴー。買うかどうかは別として、食べてみたいですよね?


これがプライシングの面白いところ。

10000円もするんだから、美味しいんじゃないだろうか?

よっぽどの目利きな方でない限り、10,000円のマンゴーが美味しそうに見えちゃうんです。

価格=価値の高低 が出来上がってしまいます。

高額セミナーにお金を出してしまう人が多いのも、この心理を利用した場合もあります。

もちろん、レクサスなんかは、ブランドイメージを高めるために、価格を高めに設定しています。

ブランドのバッグももちろんそうで、同じクオリティでも、ブランド物の方が価値が高いように見えます。

価値の高そうなものを、実際に購入する人は少数ですが、確実にいるので、その心理を利用してご商売をされている会社は世の中に沢山あります。

俗にいう、贅沢品と呼ばれるものは、価格という仮面をかぶって、価値を高めている場合もあります。もちろん、その価格相応な、手間ひまのかかった素晴らしい商品もあります。



では次に、これはどうでしょう?

左のマカロンは1個300円、右のマカロンは1個1,000円の高級品。

どちらを食べてみたいですか?


1個1,000円のマカロンを一口で食べてみたときに、どんな味が広がるんだろう?

そんなことも想像しちゃいます。


では、実際に、この1個1,000円のマカロン、買ってみたいですか?


この質問には、それぞれの価値観が反映されてくると思います。

この価値観がとても大切で、1,000円のちょっとした贅沢を買ってみたいという好奇心(もちろん贅沢な味も)も含めて、ワクワクしながら口に運ぶことができるストーリーと共に楽しみたいという方が購入します。

反対に、1個300円の普通のマカロンを購入する方の人数の方が多いと思います。コスパを意識したり、300円なのに美味しい!といったようなことを期待しているような属性のお客さんだと思います。


どちらが正しいというわけではなく、どちらで商売をしたいかということです。


では、最後の写真です。

左のキャベツは1個150円、右のキャベツは1個30円。

スーパーでタイムセールでもないのに、全く同じものが値札だけついて、普通に売られていました。

あなたなら、どちらを買いますか?


これも、意見が分かれるところですが、意外にも「30円のキャベツは怖い」という方がいらっしゃいます。見た目同じなのに、安い方を選ばないんです。


これが、価格における「不気味の谷」です。

安すぎると不安になるわけです。

ただ単に安いだけだと、人は疑いたくなるんですね。非日常的な光景に不安感を覚えます。

例えば、限定100個!タイムセール!茨城産キャベツ1個30円!

とか、理由があると、飛ぶように売れます。でも、理由がないと不安になる。


値付けは安すぎても買わなくなるわけです。


ここまで読んだ方の中で、「じゃあ、うちの商品はいったいいくらで売ればいいの?」と思う方がいらっしゃるかと思います。いろんな要素が絡み合って感覚値で訴えかけるのがプライシングです。

だから、答えなんてそもそもないんです。

ただし、仕組みは存在します。


それは、目の前のお客さんが持つ価値観。もっというと、お金に対する価値観です。

マカロンの1,000円は買うけど、マンゴーの1万円は買わないと答えた方の、お金に対する価値観と同じです。仮に、年収300万円の方の1,000円と年収3000万円の方の1万円は同じ価値になります。


もちろん、お金持ちの方は、「そのお金を出す価値を見極めるプロ」です。(だからお金持ちになっているという理由もありますが)

お金の歴史を紐解くと、物々交換の不便さを解消するために出来上がった紙切れがお金です。

「大切なものと交換する」というのがお金の本質なので、価値があると思えば買うわけですよね。


綺麗なテーブルの上で飲むコーヒーは美味しいですが、

汚い空気の汚れた場所で飲むコーヒーは美味しくないですね。


カフェは空気感を売る場所ですし、居心地やそこでの友達との楽しい会話を買っています。

レクサスは乗る人の優越感や満足感を売っています。

吉野家は安くて美味いというお得感や満足感を売っています。


どれが素晴らしいというわけではなく、その人のライフスタイルを売ったり買ったりしているわけです。この部分がわかってくると、管理会計を使ってプライシングしたり、利益を出したり、試算したりする価値が出てきます。


自分の売っているものは何か?

お客さんは何を買ってくれているのか?


そんな話から、会計に入っていけると最高ですね!

V字回復研究所では、商売にまつわる話から数字の話まで。最後に利益をしっかり出した黒字化するための伴走をしています。始めたばかりなので、質問し放題な感じです!

古屋悟司のV字回復研究所

僕自身、倒産の危機を何度か経験し、その度に前向きに取り組み、いろいろな方のアドバイスにより、V字回復を果たしてきました。業績が落ち込む理由は様々ですが、外的要員で業績が落ち込んだ時は、当たりどころのない怒りや、この先どうなるかわからない不安がついて回ります。お金のことや、売上のことは、友達が多くても、相談しにくいのが実際のところです。相談しにくいからこそ、情報も乏しく、何をどうして良いのかがわかりません。僕自身がどうやってそれを切り抜けてきたのか。その経験がお役に立つのではないかと考えました。また、精神的にも不安で夜も眠れない、寝てもまた寝汗をかいて目が覚めてしまう。胸のあたりが常にモヤモヤしている。その気持ちに寄り添うことができればと思い、この事業を立ち上げました。 会社は、なかなか潰れません。諦めたところが終わるときです。資金繰りに行き詰まってしまっても、やり方は何通りもあります。僕が経験して、実際によかったと思う方法を、すぐに実践に移せます。また、これだけは絶対にやらないほうが良い。ということも同時にあります。常にポジティブにいきましょう!なんて無責任なことは言いません。もちろんポジティブであることは大切なことかもしれませんが、落ち込んだ気持ちを無理に引っ張り上げたところで、何の解決にもならないことは、誰の目から見ても明白です。 決算書を見て、何が問題なのか。ビジネスモデルを見て、何が問題なのか。今販売している市場を見て、本当に適切なのか。今の価格で利益は出るのか?諸経費は適切な状態なのか?チェックすべき項目はたくさんあります。短期的に結果が出る方法も、中期的に見て、取り組む課題も、会社ごとに異なります。決算書も見ずに、こうしたほうがいい、ああしたほうがいいなど、簡単には解決できないこともたくさんあります。絡まった糸をほぐすように、1つづつチェックして、回復するための施策を一緒に考えましょう。もちろん、一番大切なのは、社長自身の改善に向けての「決意」です。何がなんでも改善するんだという、強い意志があってこそ、V字回復は可能になります。単純に資金不足で悩んでいる場合には、早いケースでは1ヶ月で解決できる場合もあります。また、僕が経験した「ビジネスモデルの欠陥」による赤字体質の改善には、糸口がしっかり見えるまでは、半年から1年かかる場合もあります。もちろん、V字回

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古屋悟司の気づきと備忘録

管理会計とマーケティング。 商売している目線で見た気づきを共有します。

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