古屋悟司

人気の花屋「ゲキハナ」を運営。1973年生まれ
2004年順調だった営業マンを辞め、
たった1ヶ月の研修ののち、花屋を開業。
いきなり閑古鳥が鳴くようになり、
背水の陣でネット販売に着手。
売上はうなぎ上りになったが、
数年後、決算書を見るとずっと赤字だった事に愕然とする。
その後、会計を学んだことをきっかけに、
倒産の危機を乗り越え、V字回復に成功。
以降、黒字を継続中。
現在はゲキハナの運営に加えて、
「furuyasatoshi.com」のサイト運営や
管理会計ソフトの販売を通じて、
小さな会社を中

初歩の初歩。限界利益「率」の落とし穴

メルカリで不要になったサングラスを売ったんだけどね、希望価格で何も言わずサクッと買ってくれた人がいたのね。

ラッキー!!って思って、発送しようと思ったら・・・。




石垣島・・・・。




うおーーーーーーーい!!!!

サングラスは微妙にネコポスとか使えないんだよ!!送料込みで売ったから、あんまり儲からなーい。あひょーーーー!!!



とまあ、前置きはよしとして、

こんな質問いただきました!


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限界利益率を出すときに、お客さんから送料600円をもらって、

こちらも運送会社に送料600円を払うなら、プラマイゼロじゃないですか?

ってことは、計算に含まなくても良いですよね?

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※限界利益額の計算

「売上 - 仕入れ - 送料 - カード決済手数料などのロイヤリティー - 資材費」


※限界利益率の計算

「限界利益額 ÷ 売上」


計算って、できればなるべく簡単にしたい。作業は少しでも減らしたいと思うのが人のサガ。

なんとなく、肌感覚で、「プラマイゼロなら入れなくてもイイじゃん!」って思いますよね。


はい。

限界利益「額」を計算したいなら、プラマイゼロは打ち消せます。なので、はしょってOKです!


でも、限界利益「率」を出したい時には、これ、はしょれないんですよ。

なんでかっていうと、計算すれわかります。違う答えが出てきちゃう。。。



限界利益「率」を計算する目的って、そもそも、平均的な自社の限界利益率に対して、

アガってんの?サガってんの?多いの?少ないの?儲かる商品なの?儲からない商品なの?

これを判断するために、わざわざ「率」を計算して、イケてるかどうかを判断するわけです。


理屈はとりあえず置いといて、実際に計算してみましょう!

1000円の商品で、仕入れ300円、送料別(600円)。送料はお客さん負担。

計算を簡単に知るために、ロイヤリティーとか資材費はナシという前提ね!


まず、

限界利益「額」=売上 - 仕入れ - 送料

(送料含む)売上はお客さんからも送料もらうので、売上1600円 - 仕入れ300円 - 送料600円=700円 

(送料含まない)売上1000円 - 仕入れ300円=700円


はい。どちらも限界利益率は700円でした!!ここまでOK??


じゃあ、限界利益率出しますよ!!

限界利益「率」=限界利益額 ÷ 売上


(送料含む)700円÷1600円=0.4375 限界利益率は約44%

(送料含まない)700円÷1000円=0.7 限界利益率は70%



うおおおおおおおおおおおお!!!!!!


もしも、平均的な自社の限界利益率が35%くらいでさ

送料はイッテコイだから、まー抜いて計算しとこか?って感じで計算してたら


「うおー!ドル箱商品キターーー!!」とか言って、広告かけたり値引きしたりするでしょ?

利益出なくなっちゃうことありますよ?


基本的には限界利益の「額」はめちゃくちゃ大事です!だって、率が良くても額がすくなかったら、給料出せないもんね。

でもね、経営の指標とか、どの商品が利益出しやすいかと考えた時には、限界利益率という指標、めっちゃ大事なんですよ。


で、なんでこんなに数字が変わっちゃうのかというと、分母となる売り上げが違うからです。


みんな、はしょらずに、ちゃんと計算してね!!




基礎からちゃんと学びたい方は、下記のリンクからどうぞ!!

古屋悟司のV字回復研究所

僕自身、倒産の危機を何度か経験し、その度に前向きに取り組み、いろいろな方のアドバイスにより、V字回復を果たしてきました。業績が落ち込む理由は様々ですが、外的要員で業績が落ち込んだ時は、当たりどころのない怒りや、この先どうなるかわからない不安がついて回ります。お金のことや、売上のことは、友達が多くても、相談しにくいのが実際のところです。相談しにくいからこそ、情報も乏しく、何をどうして良いのかがわかりません。僕自身がどうやってそれを切り抜けてきたのか。その経験がお役に立つのではないかと考えました。また、精神的にも不安で夜も眠れない、寝てもまた寝汗をかいて目が覚めてしまう。胸のあたりが常にモヤモヤしている。その気持ちに寄り添うことができればと思い、この事業を立ち上げました。 会社は、なかなか潰れません。諦めたところが終わるときです。資金繰りに行き詰まってしまっても、やり方は何通りもあります。僕が経験して、実際によかったと思う方法を、すぐに実践に移せます。また、これだけは絶対にやらないほうが良い。ということも同時にあります。常にポジティブにいきましょう!なんて無責任なことは言いません。もちろんポジティブであることは大切なことかもしれませんが、落ち込んだ気持ちを無理に引っ張り上げたところで、何の解決にもならないことは、誰の目から見ても明白です。 決算書を見て、何が問題なのか。ビジネスモデルを見て、何が問題なのか。今販売している市場を見て、本当に適切なのか。今の価格で利益は出るのか?諸経費は適切な状態なのか?チェックすべき項目はたくさんあります。短期的に結果が出る方法も、中期的に見て、取り組む課題も、会社ごとに異なります。決算書も見ずに、こうしたほうがいい、ああしたほうがいいなど、簡単には解決できないこともたくさんあります。絡まった糸をほぐすように、1つづつチェックして、回復するための施策を一緒に考えましょう。もちろん、一番大切なのは、社長自身の改善に向けての「決意」です。何がなんでも改善するんだという、強い意志があってこそ、V字回復は可能になります。単純に資金不足で悩んでいる場合には、早いケースでは1ヶ月で解決できる場合もあります。また、僕が経験した「ビジネスモデルの欠陥」による赤字体質の改善には、糸口がしっかり見えるまでは、半年から1年かかる場合もあります。もちろん、V字回

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古屋悟司の気づきと備忘録

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