俺がお前らを食わしてやっているんだぜ!と偉そうなことを言えるのは、一体いくら売れば言えるのか?でもその前に、それ言っちゃうって人としてどうよ?みたいな話
ちょっと怪しげな学習教材の会社に入社して3年くらいすると、僕もそれなりに売り上げを上げられるようになり、ちょっと天狗になってました。
僕はその頃、主任という肩書きで教材を売ってたんですが、僕以外に営業マンは、部長と常務の肩書きを持った2人のおじさんがいました。
正直、あまり売れておらず、「俺がお前らを食わしてやっているんだぜ!」と、かなり生意気な若造として君臨していました。その時の年齢、若干26歳。乗ってる車はBMWのZ3。ゼロハリバートンの大きめのアタッシュケースに黒い細身のスーツ。
夜、その格好でキャバクラ街を歩いていると、「お疲れ様ですっ!」とポン引きのお兄ちゃんが、なぜかどっかのお店の人と勘違いして挨拶してくるという、そんな26歳でした(笑)
さすがにその車でお客さんの元を訪問するのは気が引けたので、もう1台営業車を自分で購入して、仕事をしていました。
社長は社長で、僕にはとても良くしてくれていて、「古屋くん。君にはこの会社を継いでもらうから、頑張れよ。」などと言われ、僕は有頂天になっていました。
アポインターのお姉様方が他に10名ほどいる会社で、昼夜問わず電話をかけまくり、アポを取ってくれると、その場所に営業マンが行き、教材を販売するというスタイル。
その学習教材は3教科買うと70万、5教科で96万、9教科で100万ちょいするような、結構高額な学習教材でした。
僕の給与は、固定給20万。100万円以上売れた部分に関して歩合が20%つくという待遇だったので、仮に200万円の売り上げをあげると給与は40万、500万売ると100万円もらえるという契約。
平均して月間400万円売り上げていたので、給料は毎月80万円をコンスタントにもらっていました。
若干26歳の若造が、毎月それくらいの金額を手にすると、やっぱり勘違いをするもんですね。
「俺がこの会社を支えている。俺が辞めたらこの会社は潰れる。だから俺を大切にしろ。」くらいに思ってましたから、そりゃもう勤務態度も悪かったし、手のつけられないアホそのものでした。
本当に僕が食わしていたのか?
なんだか今頃気になったので、ちょっと計算してみようと思います。概算ですけど、ざっくりやってみますね。
会社の固定費(内訳)
社長の給与 80万円
アポインター給与合計 65万円
家賃 15万円
電話代 20万円
常務の給与 30万円(固定給分)
部長の給与 25万円(固定給分)
僕の給与 20万円(固定給分)
光熱費 5万円
雑費 20万円
合計 260万円
固定費の合計がざっと見積もって260万円。
ここに、さらに会社が欲しい毎月の利益があるはずなので、仮に100万円としましょうかね。
すると、合計360万円が必要という計算になります。(減価償却は?接待交際費は?とか聞かないでね。ざっくりだから)
そして、教材の仕入れ値ですが、おそらく売価の30%で、受注発注制でしたので、売れるたびに発注を入れていました。また、僕の歩合が20%でしたので、会社には売り上げの50%がチャリ〜ンされる計算。限界利益率50%という計算です。
※僕の給料は全て変動費として数えます。100万円を超えた分の歩合が20%で、固定給も20万円なので、完全歩合制として考えた時は、歩合20%としても同じなので。
公式はこんな感じ。
「食わせてやってるぜ」と言える売り上げ = 会社が欲しい金額 ÷ 限界利益率
この公式、損益分岐点の公式を応用したものです。
色々と使えるので、自分でも計算してみてくださいね!
では当てはめてみましょう。
会社が欲しい金額380万円 ÷ 50%
=760万円
売り上げ760万円で、「食わせてやってるぜ!」と言える金額と出ました。
僕、まだまだでしたね(笑)半分くらいしか稼げていません。
僕が貢献できていた金額はどれくらいだったのか気になるので、ちょっと計算を。
売り上げ400万円だと、限界利益50%なので、会社に貢献できている金額はわずか200万円。
まだまだ食わせている状態とは言えませんね。
いやー。僕が400万円売り上げても、会社は毎月60万円の赤字。
一人で会社を支えるっていうのは大変なことですね。
それにしても、当時の僕、人としてどうかなと思いますよね。生意気な若造でしたし。
人間性に応じて給料は変わる!くらい思っていましたから、手のつけようがなかったと思います。
実るほど こうべを垂れる 稲穂かな
お後がよろしいようで。
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