3回目のデートまでチューはしちゃいけない!

高校時代に夢中になって読んで実践した本。ホットドッグプレス。

今、40代の男子にとっては、当時、もはや説明不要のバイブル的存在だった1冊。

この本によると、女の子とチューをして良いのは3回目のデートだと書いてあった。

だから、僕らはどうやったら3回目のデートまでこぎつけられるのか、めちゃくちゃ考えていたんだ。


1回目のデートに持ち込めるかどうかが一番大切で、そこがとても難しかった。

僕が通う高校は男子部と女子部と別れていて、同じ敷地内にあるのだけれど、校舎は全く別。

そして、楽しみにしているお昼の時間も、約10分くらいかぶる程度で、一緒になることがなかなかないという、極めて男女の交流をなるべくさせないようにしている学校だった。


そんな環境下で、お気に入りの女の子を見つけ出し、5分ほど話をしてバイバイするという、過酷な状況の中で、お気に入りの子をデートに誘うわけで、それはもう究極に難しい新規獲得を強いられていた。


同級生の男友達と結託して、「〇〇ちゃんが今どこそこにいるよ!」とか、教室にいてもお気に入りの女の子がどこにいるのかの情報がいきわたるように、みんなで協力しあっていた。

携帯電話はおろか、ポケベルすらない、ましてSNSなんてものはなかったから、意思の伝達方法は直接伝えるか、手紙が、自宅の電話だった。


幸い、購買部と食堂は兼用になっていたので「〇〇ちゃんが今購買部にいるよ!」と情報網から連絡があれば、残りわずか5分のお昼休みでも、ダッシュで購買部に走っていき、偶然を装い話しかけていたもんだ。


それを何度か繰り返しつつの、「今日一緒に帰ろうよ」の一言をいうタイミング。これこそが最も緊張するタイミングであり、デート1回目を申し込むチャンスだった。


デート1回目は、2回目につなげるための仕込みをする。そのためにデートスポットに下見に行ったり、友達から情報収集したり、雑誌で情報を確保。どこがベストかを探り、2回目のデートの準備までが完璧に整った上で、1回目のデートを申し込むのである。


運よく、「一緒に帰ってもいいよ」の返事がもらえたら、どのタイミングで2回目のデートに誘うかを必死になって考えた。時間は?シチュエーションは?どこのお店でいうか、別れ際か?

1回目のデートは2回目3回目のデートのためにあった。


学校から歩いて約30分で駅に着く。その30分の間に、お茶を飲みに少し寄り道をしようと切り出す。もちろん、それまでの会話が重要で、どれくらい楽しい30分を作れるかに全てを注いでいた。趣味は?好きな音楽は?好きな食べ物は?その子を喜ばせたいし、相手のことを知りたいから、たくさん質問した。

当たり前だが、お金なんてものはほとんど持っておらず。でも、その日はお茶くらい奢れる程度のお金を財布に入れ、どこそこのケーキが美味しいからとか、どこそこのミルクティーを飲みに行こうよとか、一生懸命に誘う。でも、この30分の会話が面白くなければ、女の子はそのまま帰宅するという、寂しい結果になってしまうため、30分の話題も、事前に考えたりして、一生懸命工夫した。


運よく寄り道することにOKが出ると、2回目のデートに誘うための会話を、たどたどしいながらも話の方向をそっちに持って行ったりしながら、「今度の日曜日に〇〇に遊びに行こうよ!」などと声をかけた。


2回目のデートの約束が取れると、次はすっぽかされないように、家の電話番号を聞く。もちろん自宅だ。お互いの自宅の電話番号を交換し、その日はバイバイするわけだ。


そして、その日の夜、恐る恐る電話をかけてみる。父親が出る。だいたいこの鉄壁のお父さんバリアーが邪魔をする。

「ビクつきながら〇〇さんいますか?」とお父さんに聞いてみて、「いません」と言われてしまうと、その日はゲームオーバー。お父さんがいない時間を狙って電話をするしかないわけで、運よくその子が出てくれるのを祈りつつ、また電話をかけたりする。


2回目のデートの確認と、たわいもない楽しい会話をしつつ、約束の時間を決め、待ち合わせの場所に行く。その日のために、精一杯のおしゃれをしてデートに行くわけだ。

もちろん、この2回目のデートは、3回目のデートに行くためのデートであり、この日のためにホットドッグプレスのバックナンバーを読み漁り、3回目のデートにベストであろう場所を選定し、2回目のデートに臨む。


お互いに楽しい1日を過ごし、帰り際に3回目のデートを申し込む。ここが一番大切なポイントでミスは許されない。なぜならば、3回目のデートでは、待ちに待ったチューが待っているからだ。

魅力的なデートスポット(例えばディズニーランドとか、お祭りとか、花火大会とか)を提案し、OKをもらえてバイバイをしてからがまた大切だ。


3回目のデートまでに、盛り上げなくてはならない。

お父さんバリアーをかいくぐり、電話をかけ、たわいもない楽しい会話をして、3回目のデートまでの日を待ち遠しいものにするために、また工夫するのだ。


3回目のデートの日、その1日は、自分の全て、もはや全財産といってもいいくらい、その日のために小遣いを貯金し、その日のために全てを出し切る。お互いにめちゃくちゃ楽しい、思い出に残るような1日を作る。


なぜならば、チューが待っているからだ!!


夕日が沈む頃、ベンチに座りながら、その子の顔色を伺いつつ、切り出す。

でも、なかなか切り出せない。いや、また話を戻して、切り出す。


そんなことを小一時間。

断られたらどうしよう。という不安と戦いながらそのタイミングを待つ。

そしてこういうんだ


「僕と付き合ってもらえませんか?」と。


OKが出るかどうかは、それ以前に決まっている。その瞬間じゃなく、それ以前に、ぜん部決まっちゃっているんだ。

購買部での偶然をよそおったあの日から今日まで。どれくらい楽しかったか、どれくらい喜んでもらえたか。もう全部、決まっちゃっているんだ。


運よくOKがもらえれば、あとはチューでもなんでもしてくれ。

もうお前らは付き合っているんだから、なんでも好きなようにしてくれ!だ(笑)



この3回のデートのために、全ての知能と小遣いと情報収集とシミュレーション。命をかけたといっても過言ではないほどに工夫した情熱は、どこにいったんだ?


これくらいの情熱と工夫を、今、お客さんに傾けているだろうか?


リピーターさんと呼んでいいのは3回以上購入してくれたお客さんだけ。とか言われる昨今。

そーいえばうちのお店のLTVは3.2くらいだから、どれくらい僕が実践していたかが垣間見れる数字になってしまっている(笑)


これ以上絞り出せない!!というほどに、僕は今考えているだろうか。考えまくってプランを作っているだろうか?目の前のその1人のお客さんを全力で喜ばせたのか?

「買ってください!」のオファーだけでは、そりゃ買ってもらえないから、今日も1日お客さんは何をしたら喜んでくれるか、一生懸命考えるのであります。



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